10月の英検1級は、エッセイライティング問題以外の得点が70点を超える受講者が続出しており、65点を超える受講者も非常に多く、60点以上の得点者が大半を占める状況となっています。よって、全体の得点は少し高くなるので、英検協会がライティング問題で点数を辛くしない限りは、前回と同じような合格点になる可能性が高いと思われます。
まず語彙問題は、1万語水準を超える問題がほとんどなく、23点得点者も多く、20点以上の受講者が大半を占めています。語彙問題では、proscribe(法律で禁止する)、acrid(辛辣な)、句動詞問題ではleap out atなどがやや難しめの問題と言えますが、ある程度(9千語程度)の語彙力と前置詞の語感があれば、消去法でも解ける問題が多く、まじめにボキャビルトレーニングをしておれば、最低20点以上はゲットできるはずです。
読解問題は、20点以上の得点者が続出しており、25点得点者も多いぐらい簡単な問題でした。空所補充、内容一致問題ともに、難問と言える問題がなく、特に内容一致の問題が解きやすく、おそらく問題制作者が変わったであろうと思われますが、英検1級にしては素直な問題ばかりです。普段からやや難しめの問題を用いて、読解問題トレーニングをしている人なら、いつもよりは速くスイスイと解いて20点ぐらいは得点でき、時間も余ったのではないでしょうか。
リスニング問題は、Part 1対話式、Part 2パッセージ式問題のレベルはいつも通りで、Part 3リアルライフ問題は簡単めであったのに対して、Part 4インタビュー問題がいつもよりかなり難しかったようです。特にPart 3は、トレーニング問題を通して特訓をした人は満点取得者も多かったようです。トータルではいつもと同じぐらいのレベルと言えますが、読解問題が簡単だったので、余った時間でのリスニング問題の「選択肢の先読み」によって、いつもよりスコアが高くなった人も多いようです。
エッセイライティング問題は、「テロ撲滅の可能性」という2次試験必須の政治トピックでやや難しめの問題です。しかし、1次試験対策と同時に2次試験対策勉強を行っている人は楽勝でしょうし、普段からこういった政治経済問題についてエッセイライティングトレーニングを受けている人なら、7割から8割、つまり20点~22点ぐらいのスコアは難なくゲットできるでしょう。
今回、ライティング問題以外のスコアが50点台だった人も、60点台でありながらエッセイライティングのスコアが悪くパスできなかった人も、決してdemoralized(語彙セクション4番の問題の解答)にならずに、前向きに努力を続け、精進して行きましょう。それでは皆さん、明日に向かって英悟の道を
Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る)
アクエアリーズ学長 植田一三(Ichay Ueda)